『手前がJAL(ジャル)で奥がANA(アナ)』 呪文のように覚えておきましょう。
飛行機利用に不慣れなみなさん、こんにちは。慣れたみなさんもおはようございます。
慣れていると何も考えなくなってしまいますが、そもそも「飛行機に乗るとき」ってまずどうしますか?答えは「チェックイン」です。鉄道やバスなどを使って空港に着いたら、まずチェックインカウンターや自動チェックイン機を利用してチェックインという手続きをします。インターネットで事前のチェックインできる場合もありますね。荷物を預けるのもチェックインのときに行います。チェックインというのは要するに「受付」のようなものですね。気軽に乗れる新幹線とは違って、飛行機では保安上の都合などもあり乗客の名簿がありますから、誰が乗っているか把握する必要があります。
ところが……空港によってはまず空港に着く前に確認しなければいけないことがあります。それは「ターミナルの場所の確認」です。もしターミナルを間違えてしまうと……。
「さあ空港に着いたぞ!搭乗手続きをするぞ!」
「あれ?チェックインする場所がないぞ……」
「すみません、チェックインカウンターはどこですか?」
係員『チケットの控えはありますか?』→見せる
係員『この航空会社は別のターミナルからの出発になります……』
「!!!???」
という恐ろしいことになります。「なーんだ、ターミナルが違うだけか」と思うかもしれませんが油断してはいけません!空港によってはターミナル同士がとても離れていて歩いて行けないほどの距離がある場合もあるのです!バスを使うにしても待ち時間を含めて15~20分程度かかることもありますし、チェックイン締め切り時刻間際にターミナルが違うことに気付いてしまったら……なんと恐ろしいことでしょう!
そもそもターミナルって?
terminal、直訳すると「終端」ですが、飛行機に乗る人が過ごす空港の建物のことを世界共通で「ターミナル」と言います。この「ターミナル」と呼ばれる建物の中に、チェックインカウンター、保安検査場、ラウンジ、搭乗口、国際線用であれば出国・入国審査場、税関、免税品店といった施設が入っています。
日本には数多くの空港がありますが、ほとんどの空港はターミナルは一つしかありません。ですが、大きな空港になると一つでは収まりきらなくなってきます。たとえば羽田、成田といった空港です。
また、最近ではLCCと呼ばれる格安な航空会社用に簡素なターミナルを専用で設けることも多くなっています。成田や関西といった空港があてはまります。
飛行機に乗るとき、「チェックイン→保安検査→搭乗口へ」という手順を経ますが、保安検査を通ったあとの空間のことを「制限区域」「制限エリア」といいます。制限エリアは検査を受けた人しか入れず、いわゆる見送りの人は立ち入れない空間になっています。
ターミナルが複数ある空港の場合、それぞれのターミナルは普通は完全に分離されています(香港国際空港のような例外もあります)。ですから間違えて別のターミナルに行ってしまった場合、保安検査を抜けた先で別のターミナルに移動することは(乗継でバスを利用するなどの場合を除いて)できません。そもそも、チェックインカウンターがないのでチェックインすることも保安検査を受けることもできません。
自分が乗る飛行機はどのターミナルから飛ぶ?
というわけで、ターミナルが複数ある大きな空港を利用する場合、まず「自分が乗る飛行機がどのターミナルを使っているか」を知っていなければいけません。というわけで、以下にどの飛行機がどのターミナルを使っているか、羽田と成田の場合を紹介します。ほとんどの場合、ターミナルは航空会社ごとに分かれているので、まずどの会社の飛行機を利用するかを確認しましょう。
★羽田空港の場合
◇第1ターミナル(国内線専用)利用航空会社
・日本航空(JAL)グループ 系列会社(JTAなど)を含む
・スカイマーク(SKY)
・スターフライヤー(SFJ)※
◇第2ターミナル(国内線専用、2018年現在)利用航空会社
・全日空(ANA)
・エア・ドゥ(ADO)
・ソラシドエア(SNA)
・スターフライヤー(SFJ)※
◇国際線ターミナル(2020年までに名称を「第3ターミナル」に変更予定)
・航空会社を問わず、全ての国際線
羽田空港の場合、まず「国内線」か「国際線」かによってターミナルが異なります。国際線の場合JALであろうとANAであろうと全て専用の「国際線ターミナル」を利用します。出入国審査場がここにしかないからです。
さて、お気づきの方も多いと思いますが、注意すべき点がスターフライヤーを利用する場合。実は、スターフライヤーはどちらのターミナルからも飛んでいるのです!一体何が違うのかというと、恐らくスペース等の関係だと思いますが、行先によってターミナルが異なるのです。
具体的には、スターフライヤーで羽田から北九州空港、福岡空港へ行く場合は第1ターミナルを利用し、羽田から山口宇部空港、関西空港へ行く場合は第2ターミナルを利用します。行先によってターミナルが違うのはスターフライヤーだけですから、間違えないように気を付けましょう。
ところでこのターミナルの分け方、通用するのは2020年まで。実は第2ターミナルを国際線でも使えるようにする計画が今進んでおり、2020年3月以降はANAの国際線が第2ターミナルを使うことになる予定なのです。なんとややこしいことでしょう……。
ちなみに羽田空港の場合、国内線のLCCはありません。ピーチなどのLCCで羽田空港を利用する場合、全て国際線ですので国際線ターミナルに行きましょう。
★成田空港の場合
※海外の航空会社が非常に多いので、日系航空会社だけ紹介します。
◇第1ターミナル利用航空会社
・全日空(ANA)
・ほとんどのスターアライアンス加盟各社
・Peach(ピーチ)
◇第2ターミナル利用航空会社
・日本航空(JAL)
・ワンワールド加盟各社
◇第3ターミナル(LCC専用)利用航空会社
・ジェットスター・ジャパン
・バニラエア
・春秋航空日本(Spring Japan)
成田空港の場合、どのターミナルであっても国内線・国際線両方が飛んでいます。航空会社によってターミナルが完全に分かれているので、まずは利用する航空会社を確認しましょう。
「スターアライアンス」「ワンワールド」というのは、航空連合といい航空会社同士のグループの名前です。主に3つの航空連合があり(もう1つは「スカイチーム」)、有名・大規模な航空会社はどれかに所属していることが多いです。例えば、イギリスのブリティッシュエアウェイズはワンワールドに、ドイツのルフトハンザはスターアライアンスに、フランスのエールフランスはスカイチームに、という具合です。
ちなみにスカイチームには日系航空会社は加盟していないので上には書いていませんが、ほとんどのスカイチーム加盟各社は第1ターミナルを利用しています(中華航空及び中国東方航空のみ第2ターミナル)。あと、航空連合に加盟していない会社も数多くありますが、会社によってどのターミナルを使うかはばらばらなので公式ウェブサイトで確認してください。
航空会社案内 | 成田国際空港公式WEBサイト
https://www.narita-airport.jp/jp/t_info
第3ターミナルは格安航空会社(LCC)専用のターミナルです。ですが「第3ターミナル=LCC」ではありません!注意してください!
「第3ターミナル→LCC」は正解ですが、
「LCC→第3ターミナル」は不正解、よって「第3ターミナル≠LCC」なのです。
どういうことかというと、LCCのうちPeach(ピーチ)だけは第1ターミナルを利用しているのです!これはPeachがANA系列のためANAと同じ第1ターミナルを使っているからですが、同じANA系列であってもバニラエアは第3なのです。とてもややこしいですね……。とはいえ「Peachは第1、それ以外のLCCは全部第3」と覚えておけば間違いありません。
鉄道で行くなら、最初の駅で降りればJAL、終点まで乗ればANA!
ところで、日本の二大航空会社といえばJALとANAですが、この2つがどちらのターミナルを使っているか、鉄道で行く場合は簡単な覚え方があります!それは「手前がJALで奥がANA」です!
羽田は第1がJALで第2がANA、成田は第1がANAで第2がJALと逆転しているのですが、この「手前がJALで奥がANA」という呪文を覚えれば間違いありません!
羽田空港も成田空港にも鉄道が通っていますが、空港が大きいためターミナルによって駅が分かれているのです。羽田は京急と東京モノレール、成田はJRと京成が通っています。ややこしいのでそれぞれ第1と第2ターミナルだけ紹介しますが、どちらの空港も「最初に着く駅→JAL」「終着駅→ANA」となっているのです(京急は第1も第2も同じ、また羽田の国際線はこれとはまた別の駅です)。
ちなみに京急で羽田空港に行って国内線を利用する場合、駅のホームが長いのでどちらのターミナルも同じ駅から行けますが、出入り口の場所が違います。羽田空港行きの場合、第1ターミナル(JALなど)は後ろの車両、第2ターミナル(ANAなど)は前の車両が近いので覚えておきましょう!
おまけ