みなさん、ロシアを旅行したことありますか?ある意味日本から最も近い国なのに、旅行したことがある人なんて全然いないんじゃないでしょうか。私の周りはなんかロシア好きばっかりなんですけどね。なんかロシアどころかソ連好きまでいっぱいいますけど、普通の人はロシアなんてなかなか行かないですよね……。一番の問題はビザが面倒だって点だと思いますけど。
とはいえ、旧ソ連の時代から今に至るまで、ロシアを代表する航空会社「アエロフロート・ロシア航空」はヨーロッパ方面を格安で旅行するときの定番となっています。直行でも行けるような地域をわざわざ乗り継いで時間をかけていくことで安くなるんですね。
その反面、アエロフロートといえば安かろう悪かろうと言わんばかりの数多の噂が蔓延しています。旧ソ連時代からのロシアそのものに対するイメージからか、はたまた搭乗した人が本当に体験したものなのか、その真偽はいかなるものか。昨年、私がヨーロッパを訪問した際にアエロフロートを利用しましたが、私の実体験から噂を検証してみたいと思います。
1.そもそもアエロフロートは安い?
安いです。アエロフロートと同じ航空連合、スカイチームに所属しているイタリアの「アリタリア航空」が今潰れかけでチケット安売りしてますが、それに及ぶくらいの安売りです。2016年に利用した際、「東京→モスクワ」「モスクワ→パリ」「パリ→モスクワ→東京」という航空券を買いました(行きのモスクワで途中降機)が、お値段なんと56000円。もちろん税金や燃油サーチャージ込みです(そもそもこの時期燃油サーチャージはなかったと思いますが)。びっくりですね。とは言っても毎日この値段で買えるわけではありません。日によって値段は変動します。私の場合日程の制約は特になかったので、狙って最安値で買える日にしました。
正直なところ、日程の制約がある場合必ずしも安いとは言えないかもしれません(それでも平均的には他社よりも安いですが)。とはいえ、LCCを除いたレガシーキャリア、特にフラッグキャリアとしてはかなりの低価格帯です。エコノミーではそこまででもないこともありますが、ビジネスクラスであれば他社のビジネスクラスより割安です。サービス内容もそれなりだったりしますけどね。私はビジネスクラスなど使ったことがないので分かりません。
2.着陸時に拍手をするって本当?→本当でした!
実際に搭乗する前、特に気になっていたのがこの噂。最初に乗った東京からモスクワの便では特に誰も拍手などしていませんでした。が、2番目に乗ったモスクワ→パリの便。パリのシャルルドゴール空港に降り立つ際、乗客の一部が拍手をしていたのです!これにはかなり笑ってしまいました。しかも、全員が一斉にというわけではなくまばらにぽつぽつと拍手の音が鳴り響いていたので余計に……(笑)。乗り継いだので計4便乗りましたが、拍手が聞こえたのはこの便だけ。もしかすると、ロシア国内線であればもっともっと拍手喝采なのかもしれませんね。これに慣れてしまうと、他社の便でも思わず拍手してしまいそうになります……。昔はどこの会社でもみんなしてたんですかね?
3.機内食がまずい?キャビンアテンダントが不愛想?
これは「そんな時代も今は昔」と言い切れると思います。別段うまいと思えるほどの機内食ではありませんが、そんなに食べられないようなものが出てくることはありません。まぁ、私の舌の問題であって、肥えた舌の持ち主にとっては満足いかないものかもしれませんが……。キャビンアテンダントが不親切だということもありませんが、別に凄く懇切丁寧だというわけでもありません。良くも悪くも、世界的に見て一般的なレベルです。日系2社の乗務員さんが良いだけかもしれませんね。もちろん、他社でも上級クラスであればサービスの質は上がるのでしょうが。あと、アエロフロートに限ったことではないですけど男性の客室乗務員さんがいました。日本ではなかなかお目にかかれませんね。
4.機内アナウンスの日本語が聞き取れない!?
これは本当!声を大にして言いたい!本当に、全く聞き取れませんでした。いや、正確には一部の単語だけちょこちょこ聞こえる……という感じでしょうか。むしろ英語のアナウンスを聞いていた方が分かりやすいレベルです。
ミナサーマー、トキはまもナーク、モスクーワー、しぇれめちぇぼクコーに、とうちゃくします、もすクーワーのてんきーはХалэ、Kиオンはー、マイなーすニドデス ざセーキのもとにМодоситэкдаサイ、Ситоベルトーおーシメテ下サーイーー。
— 山田将史(やまだ・まさふみ) (@masagool) 2016年12月5日
ツイッターに書いたのですが、まじでこんな放送でした。ちなみに、一部の文言は自動放送に収録されているのですが、そっちの日本語は収録済みなだけあってさすがにまともです。アエロフロートのマイレージへの勧誘と、帰りのモスクワ発の便で聞いた「機体についた氷を落としています」っていう案内が自動放送でした。別に日本語を凄く上手くなれとは思いませんけど、むしろそれなら初めからないほうがいい!
5.座席が前に倒れる?預けた荷物が出てこない??
さすがに現代の飛行機、それも西ヨーロッパ・エアバス社製の飛行機を使ってますから、座席の背もたれが前に後ろにバッタンバッタン倒れるようなことはありませんでした。ただシートピッチは狭かったですけどね。行きは普通に寝てたんですが、帰りの便では足を伸ばせなくてずっと「早く着いてくれー頼む―」って悶えてました。同じエコノミーでも、航空会社や機種によって座席の形は違いますから、前の座席下にそこそこ足を伸ばせるのもあれば全然伸ばせないのもあるんですよね。足を伸ばせるかどうか、私にとって本気で死活問題なので(実は病気なのかもしれない)もうアエロフロートには乗れないかもしれません……。
ロストバゲッジも、私は遭遇しませんでした。まぁアエロフロートに限らず今まで一度も失ってしまったことはないんですけどね。荷物の噂と言えば、出てきたものの変形していた、中身がなくなっていたとかいう笑えない話も聞いたりしますが、今のアエロフロートは標準レベルだと思います。どの航空会社でもロストバゲッジは起こり得ることですからね。例によってアリタリアがついこの間乗客の高価な楽器を破損(というかもはや破壊)してだいぶ問題になってましたけど、もはや荷物を失うかどうかは運によるところが大きいと思います。
さて、みなさんもアエロフロートを利用したくなってきましたか?きませんでしたか?少なくとも私が乗った便では、身構えるほどの覚悟は必要ありませんでした。むしろ拍子抜けともいえるくらいです。安さの裏には何かある、と言いたいところですがそれほど気にするものでもないと思います。もちろん、ダイヤ乱れなんかはそのときになってみないとどうしようもないことなんで、絶対に安心安全とは言えませんけど、それはどこの航空会社でも同じはず。みなさんも、ヨーロッパ方面を旅行される際はぜひアエロフロートのご利用を!いろんなところで広告出してるので、みかけるかもしれませんよ。