川端と滝ノ上も遠くない将来廃止に追い込まれそうです。
2019年3月ダイヤ改正について
http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20181214_KO_H31Kaisei.pdf
2018年12月14日に発表された、2019年3月のダイヤ改正概要で、JR北海道から直別、尺別、初田牛の3駅が廃止されることが公表されました。これで、ここ4年でJR北海道から35駅※が廃止されることになります。2016年からの廃駅、廃線、列車減便が取り組まれる前からもともと442駅しかないJR北海道ですから、約8%の駅が削減されたことになります。それよりちょっと遡ると江差線なんかも巻き込まれることになりますね。
※
2016年:東追分、十三里、上白滝、旧白滝、下白滝、金華、花咲、鷲ノ巣、瀬越、礼受、阿分、信砂、舎熊、朱文別、箸別、増毛
2017年:東山、姫川、桂川、北豊津、蕨岱、美々、島ノ下、稲士別、上厚内、五十石
2018年:羽帯
2019年:直別、尺別、初田牛、沼ノ沢、南清水沢、清水沢、鹿ノ谷、夕張
そういうわけで、つい先日今年廃止される8駅を全駅乗下車してきたのですが、この際それはまあいいとして……。いや本当は良くないんですけど。
先の改正概要について、気になる箇所が。
石勝線(千歳~新夕張)の見直しを行います
・特急列車の停車拡大に合わせて、追分~新夕張の普通列車10本のうち、ご利用の少ない5本の運転を取り止めます。
・千歳~新夕張間の一部列車で時刻の見直しを行います。
石勝線は、その名の通り石狩と十勝を結ぶ路線で、南千歳~追分~新夕張~新得(厳密には上落合信号場)と、道央と道東を結ぶ路線で、また新夕張~夕張間に支線を抱えています。しかし既に多くの方がご存知の通り、3月31日を以って新夕張~夕張が廃止されます。
この石勝線ですが、もともと「夕張線」であった追分~新夕張(紅葉山)~夕張以外の区間では地域輸送、つまり普通列車の運転がほとんど行われていないという特徴があります。とりわけ新夕張~新得では一切の普通列車の運転が行われておらず、途中駅の占冠、トマムは特急列車のみが停車する駅となっています。これは1981年の開業時から変わっていません(楓駅の話は置いといて)。そのため、この区間では普通乗車券のみで特急を利用することができ、青春18きっぷや北海道&東日本パスを代表とした特別企画乗車券でも同様の措置となっています。
2016年、全道的に普通列車が削減されるダイヤ改正が行われました。その結果、追分~新夕張の普通列車は10本(下り4本、上り6本)にまで削減されましたが、このたび2019年のダイヤ改正で更に削減されることになり、半減(下り2本、上り3本)と見るも無残な改正と相成りました。その裏で新夕張への特急列車の停車本数が増やされている事情はあるのですが、今回はあくまで普通列車の削減という点にのみ絞って話をすることにします。
もとより、この追分~新夕張の普通列車は、夕張方面への利用者(ただし鉄道趣味者)と道東方面への18きっぷ等への接続(こちらも実質趣味者や観光客しかいないでしょう)がなければ使われる余地もあまりない列車ではありました。地域利用はもはやほぼ100%自家用自動車で、それを抜きにしても夕張からは新札幌方面へのバス、占冠や新得からは全区間特急列車を使うだけの話で、申し訳程度の高齢者や通学生の利用しかなかったところです。しかし、恐らく学生の利用も皆無だったことが新ダイヤからうかがえます。
こちらは旧ダイヤと新ダイヤの比較。青字は着時刻です。旧ダイヤでは千歳~追分の列車も載せているのでちょっとずるい書き方ではあるのですが、新ダイヤの千歳~追分の時刻が発表されていないのでちょっと無理のある書き方をしてしまいました。ちなみに、新ダイヤの時刻は先の改正概要には書かれていないのですが、こちら(http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20181227_KO_Yubaririnji%20.pdf)の夕張支線増発に関するプレスリリース内で触れられています(上り3本目の列車の追分の時刻だけ触れられていないのでこういった書き方になっています)。
どうでしょう、下りの始発は11時台、上りの始発に至っては13時台です。遅刻ってレベルじゃありません。通学生が1人でもいれば駅を残すことに定評のあるJR北海道ですから、この削減の裏には通学生が一切いないことが伺えます。ちなみに、バスもありません。徒歩か自転車か自家用車以外で通学する方法はありません。もちろん冬期は自転車通学なんてできるわけないですから、本当に誰も通学生がいないんですね。
新夕張~滝ノ上には通学生向けのバスがあったんですが、2017年に廃止されました。
遠い先のことはいいんですが、通学生がいないということは恐らく20年~30年先には無人地帯になっていることでしょう。しかし、それを差し置いても、この区間の途中にある川端と滝ノ上の2駅は遠くないうちに廃止されることが想像されます。12月21日に、札沼線の北海道医療大学~新十津川の廃止が正式に届けられましたが、この区間も2016年までは1日3往復ありました。3往復あればまだ家から出かけて帰ってこられるダイヤですが、それが1往復だけ、しかも上りも下りも朝となると、どこかへ出かけて帰ってくることは一切できなくなってしまいます。使わせたくないダイヤにあえてしているのですから、廃止されることになりました。川端、滝ノ上に関しても、もはやバスでいうところの免許維持路線のようなありさまです。「ないよりはまし」程度ですね。午前中に走る列車がほとんどないですから、通院にも使いにくいダイヤです。
別に、「普通列車が走っていなければ特急列車に18きっぷで乗れるようにしなければならない」なんて決まりはないのですが、普通列車があるという大義名分のために走っているのにかなり近い状態になります。思えば、2016年に東追分と十三里が廃止され、夕張支線の廃止も決定したときからこうなることは仕方のないことだったのかもしれません。とはいえ、石勝線がなくなるわけではないですから、私としては御の字だと思っています。鉄道を残すにあたっての私の個人的なポリシーがいくつかあるのですが、「路線はなくすな、途中駅は全廃してもいい」というのがあります。実際、比較的採算のよい特急列車や貨物列車のために(途中駅や普通列車が廃止されて)石勝線が維持されるのはいいことだと思います。
20年後、30年後になれば、本当に普通列車がなくなっていると思うのですが、18きっぷ等に関する取り決めはどうなるのでしょうね。私の勝手な予想としては、この区間は特急券を買えば利用できるようになる、とかそのあたりに落ち着くと思っています。
すみません、思いついたことをほいほい書いてたら何のまとまりも結論もない文章になってしまいました……。JR北海道応援サイトでも作ろうかな。