先日、北海道に行くために羽田空港から飛行機に乗ったときのこと。
「えっ!?富士山って東京からでもこんなにでっかく見えんの!!!???」
写真だと「まぁこんなもんか」こんなもんかって感じですが、実際に肉眼で見たときには想像以上の大きさでびっくりしました。富士山なんて見えない地域に住んでいたので見慣れてないってのもあるんですが、東京でこんな絵に描いたような、形がはっきりとわかるほど富士山が見えるなんて考えたこともありませんでした。こんなに近くにあるんですね……。きれいな末広がりなのでどう考えても富士山以外にはありえないのですが、もっと近いところにある別の山かと思っていました。
冬なので、雪を被っている部分が大きかったから想像と違ったのかもしれません。もっとさきっちょのところしか雪を被っていないもんかと思っていたんですが、この時期は半分の高さくらいまで雪があるんですね。箱根辺りの山にさえぎられて関東からはあんまり見えないと勝手に誤解していたのですが、そんな山に遮られるような高さではなかったんですね。富士山なんて、18きっぷで大阪に行くとき富士あたりで見るもんだとばかり思ってましたから……。
東京は起伏が多い地形で坂に阻まれて向こうが見えないところもいっぱいありますし、そうでなくても住宅や高層ビルがそこらじゅうにあるのでなかなか遠くを見渡せるところがありません。大阪と違って日常生活で山を見ることなんて(少なくとも私にとっては)まずありませんから、だいぶ驚きました。確かに、空港のように「周りに高い山がなくて平地が広がっている」という条件の整った場所だから見られたのかもしれませんね。もちろん、晴れていたからというのもありますが。江戸時代以前、まだそんなに高い建物がなかったころは当たり前のように見えていたんでしょうかねぇ……。もっとも、私は高い山が一つあるだけよりも、三方を山に囲まれた大阪の景色の方が親しみを感じるんですけどね。
「海羽田」といって、海上から羽田空港を離発着する飛行機を撮影するという企画をやっているクルーズ会社があることを後に知ったのですが、私が乗ったこの日にもやっていたみたいで、同じように富士山を絡めた構図で撮られた写真を公開している人がいました。羽田空港自体は私ももちろん何度も利用しているのですが、これまで富士山を見たことなんてありませんでした。というのも、私が乗ったときはD滑走路から離陸したときばっかりだったからです。
羽田空港には4つの滑走路があります。北風のとき、羽田空港を離陸するときはC滑走路(34R)かD滑走路(05)を使います。そんなに何十回も飛行機を使ったことがあるわけではないのですが、今まで羽田から昼間に離陸したときはD滑走路ばかり使っていたようです(D滑走路ができる前まではそもそも羽田空港を使ったことなんてありませんでした)。新しい滑走路でしかも沖合にあるのでDから飛び立つときはいつもわくわくしていたのですが、逆に富士山を見逃していたのですね……。
いつも左側の窓側の席を選んでいたからというのと、JALしか使ってなかったからというのもあるかもしれません。D滑走路を使うときでも、ANAが使っている第2ターミナルから出発する便で右の窓側に座席をとれば滑走路に向かうまでの誘導路上で見えていたと思います。
搭乗便や座席の場所は選べますが、残念ながらどちらの滑走路を利用するかは乗客は選べません。決まっているわけではありませんし(運用パターンはあるのかもしれませんが)、そもそも風向きが違えば使う滑走路の方向も変わってしまうので富士山が見やすい位置から飛ぶかどうかは完全に運任せになります。飛んでしまえば見渡せますし、曇っていたとしても雲より上に出れば見えちゃうんですけどね。