最終列車どうなる!?あと半月の三江線

いよいよ三江線の廃止が目前に迫ってきました。全駅訪問は昨年7月に済ませているので別段最後の日に乗りに行くこともないのですが、行ってみようかな……という気になってきました。私が鉄道旅行を始めてからJR西日本で廃線が発生するのは初めてのことになります(転換された北陸本線と旅客営業のなかった阪和貨物線などの貨物線を除いて)。

もう鉄道旅行を始めて12年ほどになりますが、私が初めて路線の廃止を経験したのはちょうど10年前、2008年3月31日の島原鉄道と三木鉄道でした。この2008年3月のダイヤ改正では寝台特急なは・あかつき、そして急行銀河が廃止された、そんな時代です。JR線として初の廃線は2014年5月の江差線になります。

私が本格的に鉄道旅行を始める少し前、岐阜の神岡鉄道が廃止されました。JR西日本としては可部線の可部~三段峡が廃止されてまだ間もない頃でしたが、当時は乗り始める前だったので可部線の廃止区間には乗ったことがありませんでした。ただ、インターネットで鉄道関係の旅行記を検索すると可部線廃止前の記事がよく見つかった頃だったので情報としては知っていました。あれからもう十数年たちますが、このたびJR西日本は久々の路線廃止を迎えることになります。

最終日に訪問するとなると、やはり混雑具合が気になります。これまで、島原鉄道のときは最終日に訪問していました(といっても3月31日の午前中ぐらいにしか乗っていないのですが)。島原鉄道は決して本数が少なくはない路線だったので増結(1両→2両)こそされたものの特に列車の増発はされませんでした。島原鉄道南目線最終日はキハ2000の最終日でもあったので、この日廃止区間を運行された列車は始発とその次の2本を除いて全てキハ2000で集中的に運行されていました(ちなみにそのとき始発のキハ2000ではない列車にも乗りました)。

その後はわざわざ最終日当日に乗りに行くことはなかったのですが、記憶に新しい2016年12月の留萌本線のときは最終日前日に乗りにいきました。本当は最終日3日前の夕方に旭川入りしたのですが、着いた翌日の最終日2日前には大雪で全列車が運休するという事態になってしまい、最終日前日に全駅訪問するという慌ただしい計画になってしまいました。もちろん訪問者は多かったです。

留萌本線のときはそこまで本数が多くはなかったので、一応臨時列車が走行しました。旭川からの臨時快速列車で、旭川→深川→留萌→増毛、増毛→留萌、留萌→増毛、増毛→留萌→深川→旭川という4本の運転でした。快速列車だったので記載の駅以外は全て通過していました。この快速は3両での運転でしたがなかなかの混雑でした。ほかの列車はどれも2両に増結されての運転でしたが、いずれにしても身動きがとれないほど混んでいました(そのせいで遅れもしましたね)。案内要員が乗車し、各駅や沿線にも警備員が配置されるというなかなか物々しい雰囲気でした。

江差線のときはそこまで警戒が張られるほどでもなかったようなのですが、2016年3月の8駅廃止のときといい特に物品の盗難についてはかなり警戒されるようになっているようです。恐らく来年の夕張支線の廃止のときもかなりの大事になると思います。夕張支線は留萌本線同様それほど長くなく駅数も似たような感じなので、留萌本線のときと同じような雰囲気になるのではないかと思っています。途中駅通過の臨時快速列車も運行されるのではないでしょうか。

さて、問題が三江線です。ご存知のように、3月のダイヤ改正で浜原~口羽で1往復が増発され、全線が5往復という運行になります。元々江津→浜原→江津と三次→口羽→三次という折り返し列車がそれぞれ運転されていて、しかも延長すればちょうどダイヤが繋がる時間に走っていたものですからこれまでも内心(どうして繋げてくれないのかなぁ……)と思っていたのですが、廃止2週間前になってようやく実現することになります。

しかし、それでもこれ以上の増発ができないようになっています。それは交換駅の少なさによるものです。現在三江線内で上下列車の交換ができるのは石見川本、浜原、石見都賀、口羽、式敷しかありません。しかも、石見都賀は使っておらず式敷も1日1回最終列車でしか交換していません。ほとんどの列車は石見川本、浜原、口羽で行き違いを行っています。

全駅訪問してわかったことですが、かつてはかなり多くの駅が交換可能でした。今では石見川本と浜原しかない三江北線区間は、戦前に開業し貨物営業を行っていたこともあって非常に多くなっています。川平、川戸、石見川越、因原、石見簗瀬、粕淵がそうです(というか全部北線だけですね)。三江南線だった船佐も将来的に線増して交換可能駅にできる設計だったのですが、実際に2線にされたことはなかったようです。

浜原より南の区間は今でも式敷、口羽、石見都賀とあるので列車の増発の余地があるのですが、浜原以北はそうはいきません。江津~石見川本、石見川本~浜原がそれぞれ片道1時間くらいかかるので、どんなに増発しようと思っても2時間に1本くらいが限度で、しかも本気で増やそうと思ったらそれ以外の全線も抜本的に変えなければなりません。

だったら同じ方向に続行運転すれば、と言いたくなってしまうのですが、それもできません。特殊自動閉塞を敷いているため続行運転ができないのです。駅間では在線検知をしていませんから、例えば江津から三次方面に向かう列車は、先行列車が石見川本に着いたことが確認できないと江津を出発できないのです。

現状、江津~石見川本では午前中には列車が走らない空白の時間帯があります。この時間帯を利用して団体臨時列車が走ることもあるようですが、全線を通しで走る列車はこれまでもほとんどありませんでした。やはり交換可能駅が少なく臨時列車を走らせられる余地が少ないという理由が大きかったようです(片道だけでも走らせるには復路もなんらかの方法で回送しなければなりませんからね)。

増発ができないとなれば、増結するしかなくなるのですが、果たして最終日にはどうなるのでしょうか。今でも土日は3両というこれまでからすれば異例の両数で走っているのですが、4両運転が見られるのでしょうかね。三江南線の駅はかつて4両運転をするためどの駅もホームが4両に対応していたのですが、今では途中のコンクリートが壊されてホームのうち2両分しか入れない駅が多くなっています(実際やるとなればワンマン運転で一番前のドアしか開けないので問題はありませんが)。

4両運転させるとなると当然車両は各地からかき集めることになります。浜田所属車だけでは足りなくなるでしょう。広島や木次、もしかしたらかつてのように岡山車が走ることもあるかもしれません。

そして気になるのが最終列車が終わった後の回送。現状、毎日最終列車が終わった時点での車両の位置は江津に1両、浜原に2両、三次に1両となっています(増結がない場合)。江津の車両は問題ないですが、それ以外の車両は浜田まで返さなければなりません。しかし届出上廃止日は4月1日で、たとえ回送であっても4月1日の朝が来てしまうと走らせることはできませんから、特に浜原にある2編成はその日のうちに江津まで回送することになるでしょう。浜原で2編成を連結させて一緒に回送するのではないでしょうか。江津着は24時頃になるでしょうね。もしかしたら浜原で線路から降ろして陸送ということもありえなくはないですが、実際には増結されて4両くらいにはなるでしょうからやらないと思います。

問題は三次ですが、さすがに夜21時から回送するとなると5時間くらいはかかってしまうので江津着26時(2時)なんてことになってしまいます。さすがにそんな時間には走らせないでしょうから、三次から別経路で回送することになります。木次経由は編成が逆転してしまうので本命は広島から下関もしくは山口経由、大穴で新見経由といったところでしょうか。ただ、先に言ったように広島車を貸し出すとすれば、三次行き最終列車が広島車になるように調整すれば回送の問題がなくなります。最終日前日までに運用を差し替えるかどうか、気になるところです。

4両編成で走ることになれば、たとえキハ120でも壮観でしょう。最終日、乗りに行く&見送りに行きたいところですが、どうやったって混雑は避けられないのでどの列車に乗るべきか非常に悩まされるところです。

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